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切削油の水溶性と油性の違い

切削油剤には、水で希釈することを前提にして作られている水溶性切削油剤と、油ベースの不水溶性切削油剤があります。当初は不水溶性切削油剤のみが、工具の焼付きや工具摩耗を防ぐために使用されていました。

その後大量生産の時代を迎え、加工速度を上げるニーズが高まり、超硬工具などのセラミックス工具が開発されて高温切削が可能になりましたが、油冷却では冷却が追い付かず発火の危険もあることから、急速冷却が可能な水溶性切削油剤が実用化されています。

  • 水溶性切削油剤の最大の特徴は冷却速度が大きいこと。

①水は比熱が油の2倍であり、同じ容量の冷却液でも倍の熱を奪える

②水の蒸発時の吸熱能力(蒸発潜熱)は非常に大きい(水の蒸発潜熱は約540kcal/kg)

  • 油性は摺動性、浸透性に優れ、仕上げ精度が得られる。また防錆力があり腐敗しにくい。

つまり不水溶性切削油剤は優れた切削機能を有しており、水溶性切削油はいかにして油性の特長を取り込むかという観点でその開発が進んだと言えます。