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セミドライ加工の切屑排出性

クーラントを使用しないセミドライ加工では、切屑はクーラントが運んでくれないので加工機械の下部に溜まることになります。セミドライ加工を実用化した企業では個々にいろいろと機械自体に工夫をしています。

①機械構造の工夫;切屑を真下で回収するセンタートラフ構造や切屑直下式ベッドなど

②ワーク着脱時に基準面にある切屑を吹き飛ばすパッシングエアの装着

③治具、カバー類への潤滑コーティング

④加工エリア内の治具や構造物からフラット部を無くして切屑が堆積しない構造とする

⑤エコクリーン加工(ECM);セミドライ加工により加工しながら切屑を吸い込む工具や切り屑をスムースに通すツールホルダー、主軸内に切屑を通すことが可能なマシニングセンター、集めた切屑を回収し固める機能を持つ吸引回収装置などの一連のシステムが考案されメーカーで試作されており現在大学で検証中です。またエンドミルの中心に穴があいていてすくい面がカバーされた工具で切屑をカバーの隙間(~0.7mm)から吸い込み、サイドスルーホルダーで切屑を搬送することも実用機で検討されており、現状の機械を使用した切屑の吸い込みの可能性もあります。

切屑の吸い込みによる加工は単に切屑や異物の回収の手間を省く効果ばかりでなく、潤滑性能が上がり切削抵抗を下げると言う効果を示すデータもあります。更に吸引によりすくい面に凝着した切屑が除かれる場合もあり、仕上げ面の面粗度は改善すると言われています。